
校正の表記ゆれ(表記のゆらぎ・ばらつき)はWordで解消![使い方解説]
【表記ゆれとは?】
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『いただく』 ⇔『頂く』
『Web』 ⇔『WEB』
『コンピュータ』⇔『コンピューター』
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などのように、同じ意味の言葉ではあるがその表記がバラついていることをいいます。この表記ゆれを揃える作業を「表記統一」などと呼びます。
この表記ゆれを見つけることは、校閲では必須の作業項目の一つです。
校閲の確認すべき作業項目として、以下のようなものがあります。
(1)誤字脱字
(2)文章表現(適切な言い回し・整合性・文体等)
(3)ファクトチェック(事実関係確認)
→固有名詞・地名・人名・電話番号・住所・HPアドレス・QRコード等
(4)表記ゆれ
(5)書体、級数、色、ページ周り、ルビ位置などの体裁面
(6)媒体によっては、レイアウトのフォーマット確認
→版面のサイズ、書体や級数、行間、画像のサイズ、図面の位置、色指定などの決まりごと
など
確認項目は、掘り下げてゆけばまだまだあります。
このように校閲では、表記ゆれだけを見ているわけではないので、文章内に表記ゆれが多いとかなりの負担になってきます。
もし、この表記ゆれを探す手間を省ければ、校閲者にとっては大きな負荷軽減となります。
単純にその分の時間が短縮されるということだけではなく、表記ゆれの作業がなくなった分、他の作業項目に集中できるので品質の向上も見込めます。
表記ゆれ検索 前準備
表記ゆれの検索前に、以下の設定をしておきましょう。
(1)「ファイル」タブ選択
(2)「オプション」を選択
(3)「文章校正」の赤枠内を全部チェック
(4)「設定」を選択
(5)「表記の揺れ」の赤枠内を全部チェック
以上で初期設定は終わりです。
表記ゆれ検索 検証手順
(1)下の文章の表記ゆれをチェックしていきます。
1.柱枠の組立て
ベースプレートを取り付けた支柱2本を、向かい合わせに床に置き、中棚受をはめ込みます。
最下段は下から2つ目と3つ目の角孔にはめ込んで下さい。
※支柱の角孔は台形をしており、短辺側が下になるようにします。
2.ビームの取り付け
左右の柱枠を立て、2つをつなぐようにビームを下段からはめ嵌め込みます。木のハンマー等で軽くたたいたあと、ナイロンプッシュを差し込んでください。上段も同様です。
※強くたたきすぎるとビームを傷める場合がありますので、ご注意ください。
※ナイロンプッシュの差し込み部の太さと、取付穴の直径は、ほぼ同じですが、差し込む時にきつく感じることがあります。奥までしっかりと差し込んでください。
3.天棚受の取付け
支柱から1つ目の角孔に天棚受をはめ込みます。これで棚枠の完成です。垂直・水平を確認してください。
4.棚板の取り付け
棚板を前面より、傾けながら入れます。完成です。
※商品改良のため、予告なく仕様を変更する場合がありますのでご了承ください。
※本説明書は「ステンレス棚」のものです。「ウッド棚」「ガラス戸棚」「化粧板カラーボックス付スチール棚」については各商品に添付されている説明書をご確認してください。
▼ Wordで開いた画面です。
(2)校閲タブの左下に小さなアイコンがあります。これが「表記ゆれチェック」のアイコンです。
※表示されていない場合は、「言語」をクリックすると出てきます。
(3)「表記ゆれチェック」のアイコンをクリックします。
(4)別ウィンドウで、表記がゆれているものが表示されます。
ここでは、下の3つの表記ゆれが発見されました。
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・「下さ(い)」 ⇔ 「くださ(い)」
・「取り付け」 ⇔ 「取付け」
・「はめ込(み)」⇔ 「嵌め込(み)」
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(5)それでは、「取り付け」⇔「取付け」の表記ゆれを修正していきたいと思います。
「取り付け」が2つ、「取付け」が1つなので、多い方の「取り付け」に統一したいと思います。
(6)
1.画面上部の「対象となる表記の一覧」から修正する文字を選択します。ここでは「取付け」になります。
2.画面下部の「修正候補」の中から統一したい文字を選択します。ここでは多い方に統一したいので、「取り付け」になります。
(7)「変更」をクリック
(8)変更をクリックした後(7)で選択した「対象となる表記の一覧」の「取付け」が「取り付け」に変わったことが確認できます。
(9)「閉じる」をクリックします。
(10)閉じるをクリック後、Wordの文章にも、自動で変更が反映されます。
以上で終了です。
非常に簡単で、かつ人の手を介さずに自動で修正できるので入力ミスの心配もありません。
▼ 「下さい」⇔「ください」の例
「下さい」が1つ、「ください」が3つあります。今度は、少ない方の「下さい」に合わせる場合です。
一つ一つ修正していく必要はありません。一括で修正できます。やり方は、先程とほぼ同じです
(1)
1.画面上部の「対象となる表記の一覧」から「くださ(い)」を選択します。
2.画面下部の「修正候補」の中から統一したい方の「下さ(い)」を選択します。
(2)先程は「変更」を押しましたが、今度は複数の「ください」を修正する必要があるため「すべて修正」になります。
(3)すべて修正をクリック後、「対象となる表記の一覧」の3つの「ください」が「下さい」に変更されたことが確認できます。あとは「閉じる」を押せば、Wordに修正結果が反映されます。
検索精度に注意!
上記のように、表記ゆれの検索と修正は簡単にできましたが、問題は精度です。
全て検索できていたかどうかが重要です。
下の画面の青枠は、発見できたところです。
赤枠は、発見できなかったところです。
表記ゆれのチェックは文章の構造に依存しているところがあるため、文章次第でモレが多い場合もあれば少ない場合もあるといった感じです。
おわりに
全ての表記ゆれを検索できるわけではありませんが、ある程度の表記ゆれは潰せます。それだけでも校閲者の負荷軽減にはなります。しかも、誰でも簡単にできるためやる価値は十分あります。
この「表記ゆれチェック」の機能は、校閲者の負荷の一部を軽減するという位置づけでしたら非常に効果的なものだと思われます。
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