校正記号のアポストロフィ

校正記号:アポストロフィの意味と使い方

1:アポストロフィの意味

アポストロフィは、欧文の約物の一つです。
文字や数字の省略、所有格を表す場合に使用されます。

アポストロフィの記号は次のようになります。
文字スペースの上端に打たれます。
校正記号のアポストロフィー

辞書では、アポストロフィは以下のように定義されています。

■ アポストロフィとは?

1.英語などで、縮約形(can not→can't)や所有格(boy's, boys')を表す「'」の符号。

2.ローマ字書きで、撥音を読み違えないように示す「’」の符号。tan'i(単位)など。

【出典:小学館_デジタル大辞泉】

2:アポストロフィと似た記号

以下の2つの記号を見比べた場合、右側の記号がアポストロフィのように思えます。

校正記号のアポストロフィー

ですが、これは両方ともアポストロフィです。
この違いはフォントによるものです。
アポストロフィは、フォントによって字形が大きく変わってきます。


似た記号1:プライム記号

・左がアポストロフィ、右はプライム記号です。

校正記号のアポストロフィー

文字サイズを大きくすると違いが明確ですが、実際の文章中に出てくると見間違える可能性もあります。

【関連記事】> 校正記号:プライム記号・ダッシュ記号の意味と使い方



似た記号2:シングルクォーテーション

校正記号のアポストロフィー  

アポストロフィは、シングルクォーテーションの閉じの記号(右側)とも類似しています。

・アポストロフィ
校正記号のアポストロフィー

・シングルクォーテーションの閉じ

校正記号のアポストロフィー

フォントによっては同形とするものあるので、区別が付かないこともあります。

通常の校正作業においては、文中にアポストロフィと間違ってシングルクォーテーションが入っていたとしても、見分けることはほぼ不可能です。

3:アポストロフィの校正記号の使い方

※文章中の校正記号は『JIS Z 8208:2007(印刷校正記号)』を参考にしています。

アポストロフィに修正する


校正記号のアポストロフィー

アポストロフィの記号だけでなく、「アポ」と文字で補足します。
記号類全般に言えることですが、他の記号と混同しないように名称も入れる必要があります。


アポ」がアポストロフィの略だと伝わらない可能性があるなら、略さず正式名称で指示したほうがよいです。

校正記号のアポストロフィー


[補足]

アポストロフィは文字の上端に打たれるものなので、上付きを表す記号()は必要ありません。

 校正記号のアポストロフィー
ただ、「」を入れたとしても特に問題はありませんが。


アポストロフィの挿入1:基本

校正記号表にならうなら、挿入の赤字は次のようになります。

校正記号のアポストロフィー

この場合、「アポ」の文字が抜けていると、コンマと間違えられる可能性が非常に高いので注意が必要です。


アポストロフィの挿入2:応用

挿入したい部分をで指示してもわかりやすいです。
その場合は、「入レル」の文字も付け加えておくとより親切です。

校正記号のアポストロフィー

4:アポストロフィの入力方法と見分け方

ここからは、PC上でのアポストロフィの説明になります。

今は赤字を紙に書いているので、PCでアポストロフィを入力することがないという方も、今後はPCで赤字を入力するという機会があると思います。

そのときに備えて、何となくでも覚えておけば役立つときが来るかもしれません。

4-1:アポストロフィの入力方法

アポストロフィを入力したい場合

次のキーを入力をします。

 Shift  校正記号のアポストロフィー


ただし、Office系のソフトでは、「アポストロフィ」を入力しても「シングルクォーテーションの起こし」に自動で変換される場合があります。

校正記号のアポストロフィー

この原因は、Office系のソフトに標準で備わっている「オートコレクト」という機能が悪さをしていると考えられます。



アポストロフィが入力できない場合(※Windows_Wordでの手順)


1.Wordの画面左上にある【ファイル】タブから【その他】→【オプション】へと進みます。

2.Wordのオプション画面が表示されます。

校正記号のアポストロフィー
【文章校正】→【オートコレクトのオプション】へと進みます。


3.
オートコレクトの画面が表示されます。

校正記号のアポストロフィー
【入力オートフォーマット】タブを選択します。

『左右の区別がない引用符は、区別がある引用符に変更する』のチェックを外します。
あとは、画面下の「OK」を押して閉じます。

これで、アポストロフィが入力できるようになります。


[補足]

アポストロフィを入力することがほとんどないという方は、アポストロフィの入力後は、チェックボックスをオンにして元の状態に戻しておきましょう。


入力の設定が面倒という方、どうしてもアポストロフィが入力できないという場合は、以下をコピペして使えば大丈夫です。PCのメモ帳にでも貼っておけば、いざというときに便利です。


コピペ用

'半角アポストロフィ

全角アポストロフィ

-2アポストロフィの見分け方

アポストロフィかどうか確認したい場合(※Windows_Wordでの手順)

入力されている記号がアポストロフィかどうか見分ける方法です。
以下は、アポストロフィとシングルクォーテーションの閉じを並べたものです。

校正記号のアポストロフィー
どっちがアポストロフィか、目視で判別できる人はまずいないはずです。

こうように、既に入力されているものでも確認することができます。

1.記号を選択します。

校正記号のアポストロフィー


2.
記号を選択した状態で、【 Alt + x 】を押します。

校正記号のアポストロフィー

記号が数字に変わります。この数字は、文字コードを表しています。
「2019」は、「シングルクォーテーションの閉じ」を表すコードです。
そのため、左側の記号が、シングルクォーテーションだとわかります。


3.
右側の記号も同様の手順でコードを表示させます。

校正記号のアポストロフィー

「0027」は、アポストロフィのコードです。
右側がアポストロフィであることがわかります。


[補足]Unicode(​文字コードの業界規格の一つ)

・半角アポストロフィのユニコード →「U+0027
・全角アポストロフィのユニコード →「U+FF07
・シングルクォーテーションの閉じのユニコード →「U+2019

おわりに

普段、日本語の文章校正をメインとしている校正者なら、アポストロフィの使い方はさほど気にする必要はないかもしれません。

ですが、英文校正がメインの方は、文章中でのアポストロフィの使用方法を知っておく必要があります。複数形の所有格で使用するアポストロフィは間違えやすいところです。

英文でのアポストロフィの使用方法は、Wikipediaの「アポストロフィー」のページに簡潔にまとめられています。必要な方は、一度参照してみてください。



【アポストロフィについては、以下の書籍・サイトを参照】
 ・編集校正小辞典_ダヴィッド社
 ・校正記号の使い方_日本エディタースクール出版部
 ・Wikipedia_アポストロフィー
 ・デジタル大辞泉_小学館

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