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校正者の一日のスケジュール[会社員・フリーランス・在宅校正者のとある一日]
同じ校正の仕事であっても、会社員かフリーランスか、出社か在宅かなどによって働き方は異なります。
この記事では、自身の経験を踏まえて、
『 1. 会社員・出社タイプの校正者』
『 2. フリーランス・出社タイプの校正者』
『 3. フリーランス・在宅タイプの校正者』
のそれぞれについて、ある一日のスケジュールを紹介します。
1. 会社員・出社タイプの校正者
▼ 校正プロダクションの校閲部員(正社員)のある一日
10:00 > 出勤→月刊誌の記事(4ページ)の校正
出勤したら、社内の進行管理担当者からその日の案件のゲラを受け取ります。
雑誌の記事のような短いものであれば、数時間で納品します。
12:00 > 納品→書籍の校正
作業が終わったゲラは進行管理担当者に渡し、入れ替わりで次の案件のゲラを受け取ります。
書籍1冊のようにボリュームのあるものは複数日にわたって校正します。ページ数や内容によって日数にはかなり幅がありますが、今回の案件はページ数がそれほど多くなく、ファクトチェックの量も一般的な範囲だったので、5日間と見積もられていました。
13:00 > 昼食
昼休みの時間は定められていないので、各自好きなタイミングで休憩を取ります。会社周辺で外食をすることもありますが、社内の休憩スペースでお弁当を食べることが多いです。
休憩のタイミングが重なった校閲部員と、それぞれが持っている案件の話をしたり作業について軽い相談をしたりすることもあります。
14:00 > 書籍の校正
昼休みを終え、引き続き書籍を読み進めます。
16:00 > 差し込み案件の校正
急ぎの案件が来たとのことで差し込まれます。書籍の帯とカバーで、校正時間は30分ほどでした。
出版社や校正プロダクションの多くは、社員だけでなく外部スタッフも抱えています。ただ、こうした急ぎの案件や細かいものは外部に発注するのが難しいため、基本的には社内で処理しているようです。
19:15 > 退勤
実働時間は1日8時間ですが、きりのいいところまで読み進めようと思うと少しオーバーしてしまうこともあります。
翌日出勤したらすぐに取りかかれるようにゲラを整理してから退勤します。
2. フリーランス・出社タイプの校正者
▼ 出版社の校閲部に常駐するフリー校正者のある一日
10:00 > 出勤→書籍の校正
業務委託なので就業時間は定められていませんが、校閲部の社員と一緒に作業をすることもあるので、だいたい同じ時間帯に出勤します。
出勤したら担当している案件の校正に取りかかります。このときは前日から引き続き、書籍の校正をしました。
13:00 > 昼食+図書館
この会社でも昼休みの時間のルールはなく、自分のタイミングで休憩します。
この日は調べ物があったため、昼休憩に出たついでに会社の近くの図書館に行きました。
15:00 > 他の校正者の手伝い
会社に戻ると、校閲部の社員から作業の手伝いを頼まれます。
校正は個人作業が多い仕事ではありますが、校閲部のように複数人の校正者が集まっている環境では、忙しいときは互いに手を貸し合うことがあります。
17:00 > 書籍の校正
手伝いを終え、自分の仕事に戻ります。
18:00 > 退勤
業務委託なので、1日の勤務時間は決まっていません。作業ペースと期間を考慮して、締め切りに間に合うように計算しながら日々の労働時間を決めています。
3. フリーランス・在宅タイプの校正者
▼ 在宅フリー校正者のある一日
9:00 > 仕事開始
自室で仕事を始めます。1週間ほど前から校正している書籍の締め切り日なので、間に合うように進めていきます。
12:00 > 昼食
在宅勤務時の昼食は自宅で食べることもあれば、外に食べに行くこともあります。この日は締め切りが控えていたので、自宅で素早く終わらせて仕事に戻りました。
14:00 > ゲラ発送
校正を終えたゲラを発送しに行きます。書籍の場合は、宅配便でゲラの現物をやり取りすることが多いです。最寄りの窓口の受付時間に間に合うように持っていきます。
14:30 > ウェブ記事の校正
帰宅したら次のウェブ記事の校正案件に取りかかります。
ウェブコンテンツについては、データでやり取りする案件が多いです。方法はクライアントによってさまざまで、PDFの注釈やWordのコメント機能を使って指摘を書き込む、Wordの文章を履歴を残したうえで直接修正する、渡されたデータを出力して紙に指摘を書き込み、それをスキャンしてデータで納品するなどのやり方があります。
18:00 > ウェブ記事の納品
ウェブ記事の校正を終えてデータを納品し、この日が締め切りの仕事は終わりです。
22:30 > ゲラのチェック+軽く作業
夕食や自由時間の後、次に着手する書籍のゲラをチェックします。
本格的な作業は翌日からの予定ですが、フリーランスの場合は仕事量を自分でコントロールしなければならないので、手元にある仕事のボリュームを常に把握しておく必要があります。
時間と労力がどの程度かかりそうか見積もりつつ、短時間でできそうな体裁のチェックなどをしておきます。
0:00 > 作業終了
ある程度めどが立ったら、翌日取りかかりやすいようにゲラを整えて作業を終えます。
おわりに
以上、タイプ別の校正者の一日のスケジュール例を紹介しました。
どのタイプにも共通するのは、締め切りから逆算して計画的に作業を進めていくことです。ペース配分に気を配り、コツコツと作業する能力は、校正者として重要な素質のひとつと言えるでしょう。