
【初心者向け】校正・校閲の第一歩!画像と文章の間違い探しに挑戦しよう
校正・校閲と聞くと、初心者の方は「文章の誤字脱字を見つける、なんだか難しそうな仕事……」と思う方もいるはずです。
確かに誤字脱字を見つけるのは校正で大切な仕事ですが、校正者がチェックしているのは文字だけではありません。たとえば、画像と文章の内容が一致しているかを確認することも、校正・校閲の重要な仕事の一つです。
そこで今回は、校正・校閲の「第一歩」として、「画像と文章の間違い探し」にクイズ感覚で挑戦してみてください。
校正・校閲の練習問題
■ 以下の画像とキャプションを見て、おかしいと思う箇所を指摘してください。

[左]コットン混リネンのジャッケトとパンツを合わせたセットアップスタイル。風合いのあるベージュなら固苦しい印象にならず女らしさも保てる。
[中]陽射しが心地いい休日はトップスもきれいなピンク色が気分。くたり感のあるデニムと斜めがけバッグで軽快に歩ける。
[右]丹精な白シャツで勉強モードに。とろみスカートなら座ってもシワにならず安心。肩に掛けたニットはアクセント兼、空調たいさくになるv
解答&解説
解答&解説【1】

[左]コットン混リネンのジャッケトとパンツを合わせたセットアップスタイル。風合いのあるベージュなら固苦しい印象にならず女らしさも保てる。
<解答>
① 3/3|Mon.| → 解説へ
② ジャッケト → ジャケット
③ 固苦しい → 堅苦しい
<解説>
① 3/3|Mon.|
ここの間違いは、
「3/2|Mon.|と日付に赤字を入れた人」と
「3/3|Tue.|と曜日に赤字を入れた人」との2パターンにわかれるかもしれません。
この場合は、中央の日付(3/7 Sat.)と右側の日付(3/12 Thu.)から判断して、「3/2 Mon.」と「3/3 Tue.」の2パターンとも適切と考えられます。
問題の情報だけでは、日付と曜日のどっちが正しいか判断できません。そのため、どちらかに赤字を入れるのではなく、ここでは「日付と曜日が対応していない」という旨の赤字を入れるのが適切です。
このような日付と曜日が対応していない間違いはよくあります。校正では、基本中の基本と言える間違いです。一見、曜日が間違っているように思えますが、必ずしもそうとは言い切れないので注意しましょう。
② ジャッケト → ジャケット
難解な漢字は誰の目にもつきやすいですが、ひらがなやカタカナ表記になると見落としやすくなるので注意が必要です。小さな文字は特に見落としやすいです。
③ 固苦しい → 堅苦しい
『固い/堅い/硬い』の使い分けは、業界問わず用いられるので覚えておきましょう。
解答&解説【2】

[中]陽射しが心地いい休日はトップスもきれいなピンク色が気分。くたり感のあるデニムと斜めがけバッグで軽快に歩ける。
<解答>
ピンク or オレンジニット → 解説へ
<解説>
ピンク or オレンジニット
縦書きのコピーが「オレンジニット」となっているので、キャプションの「ピンク色」を「オレンジ色」に変更だと判断するのよくない考え方です。
『本当にコピーのほうが正しいのか?』と考える必要があります。コピーが間違っていて、コピーの文言を「ピンクニット」にするという可能性もあります。
また、画像がオレンジに見えるからといって、オレンジだと判断するのもよくない考えです。通常の普通紙に印刷された校正ゲラ(校正紙)では、画像の色味まではわかりません。特に今回のような「淡いオレンジ」や「薄いピンク」、他にも「ブラック」と「ダークネイビー」、「ホワイト」と「ベージュ」などもゲラでは非常にわかりづらい色です。
色に関しては、自分のゲラでそう見えたからといって、それが正しいとは限りません。プリンターの設定、部屋の明かり、その他様々な要因で微妙に色の見え方は変化してきます。そのために「色校正」と呼ばれる色だけを確認する別工程があります。
この問題の画像を見ただけでは、「オレンジ」とも「薄いピンク」とも言い切れません。そのため「コピーの『オレンジニット』とキャプションの『ピンク色』が不一致である」という旨の赤字を入れるのが適切です。
解答&解説【3】

[右]丹精な白シャツで勉強モードに。とろみスカートなら座ってもシワにならず安心。肩に掛けたニットはアクセント兼、空調たいさくになるv
<解答>
① 丹精 → 端正
② 肩に掛けた → 画像と不一致
③ たいさく → 対策(漢字にする)
④ v → トル
⑤ 句点抜け → 句点入れる
<解説>
① 丹精 → 端正
「丹精」… 真心を込めて行う
「端正」…(行い・姿勢が)正しく整う
② 肩に掛けた → 画像と不一致
腰に巻いているものを、肩に掛けたと明らかに違っています。ここから推測できることは、他に肩に掛けた画像のカットを撮影していて、その画像用のコピーを間違って貼ってしまったという可能性です。もしくは、画像が差し替わったが、コピーを差し替え忘れて対応しなくなったとも考えられます。
④ v → トル
『なぜ v が入っているの?』と思えますが、これはオペレータがコピペしようとした際の操作ミスで入った文字です。
制作環境がMacなら、コピペするのは【コマンド+c 】→【コマンド+v 】です。【コマンド+v 】を押すときにコマンドキーを押しきれなくて「 v 」が残ったと推測できます。
③・④・⑤
キャプションの最後に間違いが集中しています。実際の制作現場でも修正の終わりが近づくにつれ、制作側の集中力が切れたり、終わりが見え気が緩んだりしてミスが目立つことが多いです。
校正作業でも時間とともに集中力が落ちてきますが、それは制作側も同様です。そのため終わりに近づくにつれ、さらに集中力を高められるよう適度な休憩をとるなど工夫が必要です。校正には間違いを見つけるという能力だけでなく、集中力の持続も大切な要素です。
【出典:InRed_3月号(宝島社)P.53の一部改変】
> 公式サイト
おわりに
校正・校閲というと、ひたすら文章とにらめっこするイメージが強いかもしれません。しかし、実際の現場では、文章と画像の整合性をチェックする作業も頻繁に発生します。
たとえば、
・Webメディア:記事の内容とアイキャッチ画像が合っているか
・マニュアル:操作手順の文章と図解が対応しているか
・通販サイト:商品説明文と商品写真が一致しているか
多くの媒体で、画像と文章の食い違いは読者の誤解を招き、文章の信頼性を大きく損なうミスにつながります。このような間違いを見つけるのも校正者の大切な仕事となります。
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