「文字・単語・語句・言葉」の意味と関係性から文の構造を理解する
文字と単語、語句、言葉は、言語の基本的な構成要素であり、それぞれ違った意味を持ちます。これらの意味や関係性を知ることで、文の構造がわかるようになり、文章の理解力向上にも役立ちます。
[記事作成にあたっては、以下の書籍・辞書・サイトを参考にしています]
・明鏡国語辞典(第二版)_大修館書店
・新明解国語辞典(第七版)_三省堂
・広辞苑(第七版)_岩波書店
・デジタル大辞泉_小学館
「文字・単語・語句・言葉」の関係性について
端的に言うと、「文字」は「単語」の一部であり、「単語」は「語句」の一部であり、「語句」は「言葉」を構成するという関係性にあります。
定義の仕方は、言語の専門家や学者によっても必ずしも同一でないため、明確に分けられない面もあります。また広義でとらえると、「文字」も「単語」も「語句」もすべて「言葉」で言い換えることができます。
明確に区別できないケースもありますが、普通に文章を読んでいて、このような考えでまず問題ないという一校正者の視点でそれぞれの意味や関係性について説明していきます。
文の構造を知り、文章の理解力を高めるのにお役立てください。
1. 文字について
文字は、音声や言葉を表すために使われる記号のことをいい、目に見える形で表現されるものです。単語や語句、文章を構成する上で必要不可欠な要素です。
文字には、
「ひらがな」「カタカナ」「漢字」「アルファベット」「数字」などの種類があります。
具体的には、
ひらがなの「あ」「い」「う」や、アルファベットの「A」「B」「C」などの一つひとつを捉えて文字と呼びます。
少しややこしいですが、一つの文字でも、そこに何らかの意味を付加するなら、文字でなく単語(後述)として扱うのが適切です。たとえば「き」や「ひ」の文字を、「き(木/名詞)」「ひ(火/名詞)」として捉えるなら意味を持つので単語と言えます。
2. 単語について
単語は、文法上の意味・機能を持ち、言語使用において独立性のある最小単位のことを言います。名詞、動詞、形容詞、副詞などの品詞にわけられることが特徴です。
たとえば、
「い」と「ぬ」の2つの文字で「いぬ(犬/名詞)」という単語ができあがります。
単語は、言語を使う上で最も重要な要素の一つであり、語彙の基本となる概念です。文の中で独立した意味を持ち文法的な役割を果たすことが多く、国語辞典に掲載されることが多い単位です。
そのため単語は、言語能力の指標とされる語彙の豊富さの基準となり、言語習得において重要な役割を果たします。
3. 語句について
語句は、複数の単語が組み合わさった意味を持つ表現のことを言います。
単語+単語+… → 語句
語句は、一つの意味を表現する単語の集まりであるため、単語よりも複雑な意味を表すことができます。
たとえば、
「犬」「が」「眠る」という3つの単語により「犬が眠る」という語句ができあがります。
犬 (名詞)
が (助詞) → 犬が眠る[語句]
眠る(動詞)
語句によって、表現に幅も持たせることができ、単語の持つ意味をより詳細に表すことができます。語句には、熟語や慣用句など様々な種類があります。
4. 言葉について
言葉は、文字や単語や語句を含む最も大きな概念です。広義には、文字も単語も語句もすべて言葉に置き換えることが可能となります。
言葉は、人が相手に対してコミュニケーションを行うために使われるものであり、話し言葉、書き言葉のように、声に出したり文字に書いたりする表現レベルまで含みます。
たとえば、
「こんにちは」「ありがとう」「おめでとう」は、それぞれ挨拶、感謝、祝福を表す言葉となります。
おわりに
以上のように、文字・単語・語句・言葉は、相互に関連しています。単語は文字の集まりであり、語句は単語の集まりであるというように、階層的な関係性にあります。
これらは文を構成する上で必要不可欠な要素であり、文法的な規則に基づいて組み合わされます。
個々の意味を理解することで、文の構造をつかみ、文章の理解力向上にお役立てください。