校正・校閲のスピード

校正・校閲でスピードがない/時間がかかるという人の悩みを考えてみました

どんな仕事でもどこかで壁にぶつかるということはあります。校正でスピードがない、時間がかかるという人の解決方法を考えてみたいと思います。

明確な答えはありませんが、こうではないかという実体験から想像してみたのでどれかに当てはまるようでしたら参考にしてみてください。

経験とともにスピードはあがる?

まず、校正をするスピードは経験とともに比例していくというわけではなりません。

校正のスピードと時間の改善

基本的には、次のようなイメージです。

校正のスピードと時間の改善
※ここでの経験は、数週間もしくは数カ月で個人差があります。


次のようなパターンも多いです。

校正のスピードと時間の改善
最初は順調にスピードが上がり、経験や学習とともに見る項目や予測できる間違いが増えていき、スピードが落ちる(時間がかかる)というパターンです。

基本的にはどこかで下げ止まります。経験とともに力の入れ具合がわかってくるからです。

要は、経験とともに校正するポイントがわかってきて、それまで万遍なく校正をしてきたことが、どこを重点的に見るべきか力の加減がわかってくるということです。

1:校正・校閲のスピードの基準

「どうしたら速くなれますか?」という質問はよくされます。

そもそも適正な速さというものがないので何とも言えないところですが、自分の校正のスピードが遅い速いは誰もが気にするものだと思います。

フリーランスや在宅など一人で校正をする環境の場合、自分はスピードがない、その根拠が金額に見合っていないというのなら、その根拠自体が間違っている可能性があります。

ページ単価(や時給)に対して割りに合う割りに合わないは、校正のスピードが遅い速いの基準にはなりません。単純に、支払われる金額が低いのかもしれません。労働の対価として適正価格を貰えていないということです。

ここでは、相対的な基準を持った人向けになります。
数人の校正者と仕事をしていて自分だけ遅いと感じる人、
つまり他の校正者と比較して、相対的に自分が遅いと実感している人です。

2:時間感覚が乏しくて時間をかけてしまう

校正する前に『この分量だったら何分ぐらいで校正できる』というイメージは持っておく必要があります。校正にかかる時間を想定できていないと、やみくもに時間を食いつぶしていくことになります。

たとえば、
『この原稿内容だと1ページ15分ぐらいでできる』などの感覚です。
校正時間は原稿内容によって変わってくるのは当然ですが、「やってみないとわかりません」というスタンスでは時間感覚はおそらくずっと身に付きません。

時間を基準にしておかないと時間があるだけ使い続けることになります。

時間を意識すると焦ってしまうかもしれませんが、どんな仕事でも時間を基準にしておかないといけません。そこが抜けていると仕事では致命的といえます。学生症候群に近い考え方に陥ります。

その思考の繰り返しが、校正するスピードを遅くしているのかもしれません。

自分が研修を受けていたときは、校正にかかる時間を常にストップウォッチで測られていました。当時はプレッシャーでしたが、今では時間感覚が身に付いたので自分のスピード感はわっています。急ぎの仕事など速さを求められる場面では、自分が校正するスピードを調整できるつもりです。

『これ以上のスピードでやったら頭が追い付いつてこないからダメだな』とか『このスピードまでなら大丈夫だな』という感覚です。

そのため「急ぎでこれ見てください」と言われた場合でも、間に合う・間に合わないのジャッジはすぐにできます。間に合う場合はすぐに取り掛かりますし、間に合わない場合は他の手段を考えます(コピーを取って誰かと手分けするとか)。

これは自分の能力でなく研修のおかげだと思っています。
誰でも意識していれば身に付くものです。

3:作業内容が曖昧で時間のムダに

・見すぎ(過剰品質)
このパターンが一番多いかもしれません。
引き合わせだけの指示を受けたのに、良かれと思って素読みもしているなど。

・校正しなくてもいい箇所まで見ている
後でリライトされる文章を素読みしていたり、変更される部分を校正していたりなど。

・入れなくていい赤字入れや疑問出しをしている
全体指示で一括で入れる赤字や既に解決している疑問を入れるなど。


上記はすべて指示内容の聞き間違いや食い違いで起こるものです。周りとのコミュニケーション不足から発生している可能性が高いです。これらは、校正を依頼する側、周りの校正者に確認すればすぐに解決できるものです。

4:自分のスピードに自分が制限をかけている

自分が思っている以上に速くに校正できるのに、自分の思い込みで制限をかけてやっている可能性があります。過度に慎重になりすぎることが原因かもしれませんが、自分の能力には適度な自信を持たなくてはいけません。


だからといって、いきなりスピードを上げるのはまずいので他の作業で自分の速さを試してみることです。たとえば、原稿を整理するとき、校正ゲラを並べるときなど気持ち早めに作業するようにし、この速さでも自分はできるという感覚を持つことが必要です。

5:特殊な間違いをずっと気にしている

制作環境の変化・社内システムの変更の際に起こる特殊な間違いというものがあります。OSを更新したり、ソフトのバージョンアップしたときなどに見られる間違いです。

そういう過去に経験した間違いが、今も起こると思って時間をかけすぎているということです。過去の経験が邪魔をしてしまっているわけです。

特にWeb校正では、十数年前から何度も環境は変化してきています。これまで起こっていた間違いが、制作環境の変化により起こらなくなることはあります。校正も環境の変化に合わせて、見方を変えていかないといけません。

何か特殊な間違いに出くわしたら、まずは担当者やオペレータなどと共有しておくことです。その原因がわかれば、今後も気を付けるべきことなのか今だけのことなのかが判断できます。

要らぬ取り越し苦労は、時間を浪費するだけでなく精神的にも堪えます。

6:「遅い」と「丁寧」を区別

校正に時間がかかっても「丁寧と言われる人」と「遅いと言われる人」とは区別する必要があります。

かけた時間に品質がともなうのが「丁寧」
かけた時間に品質がともなわないのが「遅い」

前者であるなら、特に今のスピードを気にする必要はないと思います。


校正のスピードが遅いと感じている人も、ある程度経験を積むことで解決していくところがあります。今は視点が散漫になったり判断能力が乏しかったりで時間がかかっているだけかもしれません。経験とともにそれらが解消されてくることも多いです。

それぞれの環境で解決方法は違うので明確な答えは出せませんが、時間だけは意識して仕事に取り組む必要があります。

まずは時間を意識すること、それから自分の適正スピードというものがどれぐらいなのかを知る必要があります。