カレンダーの六曜とは?[六曜の意味・歴史的背景・信憑性]

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カレンダーの六曜とは?[六曜の意味・歴史的背景・信憑性]

カレンダーでよく目にする「大安」や「仏滅」などの文字。引越しや結婚式、重要なイベントの日取りを決める際、縁起を担ぐ目安にしている方も多いのではないでしょうか。

この「六曜(ろくよう)」は、カレンダーにも自然に記載され日常生活に深く根付いていますが、その由来や意味についてまで深く考えたことがある方は少ないかもしれません。

この記事では、六曜のそれぞれの意味、その歴史的背景までわかりやすく解説します。

1. 六曜の概要とそれぞれの意味

六曜は、6つの種類の「曜」が一定の規則で循環する暦のルールです。それぞれの日に「吉凶(縁起の良し悪し)」や「時間帯による運気の違い」が定められています。

1. 先勝(せんしょう/さきがち)
「先んずれば即ち勝つ」の意味。急ぎの用事や勝負事に向いている日とされます。午前は「吉」、午後は「凶」です。

2. 友引(ともびき)
「友を引く」という意味で、本来は勝負事で引き分けになる日です。朝晩は「吉」、昼(正午頃)は「凶」とされます。「友を冥土に引き寄せる」という語呂合わせから、葬儀を避ける風習が定着しています。

3. 先負(せんぶ/さきまけ)
「先んずれば即ち負ける」の意味。急用を避け、万事控えめに過ごすのが良いとされる日です。午前は「凶」、午後は「吉」となります。

4. 仏滅(ぶつめつ)
「仏も滅するような大凶日」と言われ、万事において凶として避ける傾向があります。一方で、「物事が一度滅びて新たに始まる日」とポジティブに捉え、あえて選ぶという解釈も一部に存在します。

5. 大安(たいあん)
「大いに安し」。何事においても大吉とされる日です。特に結婚式や結納などのお祝い事に最適とされ、好まれます。

6. 赤口(しゃっこう/しゃっく)
陰陽道に由来する凶日で、火や刃物に気をつけるべき日とされています。正午(11時~13時頃)のみ「吉」で、それ以外の時間は「凶」とされます。

 2. 六曜の起源と表記の変化から生まれた誤解

六曜は、日本の仏教に関わりが深そうに思えますが、そのルーツは中国の唐の時代にあります。時刻の吉凶を占う「小六壬(しょうろくじん)」が原型とされています。これが鎌倉時代から室町時代にかけて日本へ伝わり、独自の変容を遂げて日の吉凶を占うものに変わりました。

さらに、時代とともに漢字の表記が変化したことで、本来の意味とは異なる解釈が定着しました。
友引 → 元々は「共に引き分ける」という意味の「共引」でした。
仏滅 → 元々は「物が滅する」という意味の「物滅」でした。

のちの時代に「引」「滅」という漢字が当てられたことで、「友を道連れにする」「仏が滅する」といった、本来の意味とは異なるイメージが先行するようになり、現代に定着してしまったとされています。

3. 六曜が日常に広く普及した理由

六曜がこれほどまでに普及した背景には、江戸時代から明治時代にかけての社会的な事情が関係しています。

江戸時代までの暦には、膨大で複雑な迷信的注釈(暦注)が記されていました。しかし明治時代、政府は「文明開化」を推し進めるため、これらを「根拠のない迷信」として一切禁止しました。

しかし、計算が容易で覚えやすい「六曜」が政府の規制をかいくぐる形で、非公式なカレンダーに掲載されるようになり生き残りました。さらに、印刷技術の発達により、カレンダーに付加価値として大量に印刷・流布されたことで、全国へ広まり、現代のスタンダードになったと言われています。

4. 六曜の科学的根拠と社会的意義

結論から言えば、六曜に科学的・宗教的な根拠はありません。

六曜は天体の運行や気象とは一切無関係であり、単なる日付の割り振り上の符号に過ぎません。また、仏教や神道とも本来は無関係です。「仏滅」という言葉も仏教用語ではありません。

ただし、根拠がないからといって価値がないわけではありません。六曜は「大安に祝う」「友引の葬儀を避ける」といった共通の規範として機能し、人間関係や社会的な秩序を円滑にする役割を果たしてきました。また、一種の「縁起物」として、人々の気持ちを後押しする心理的な効果も持っています。

5. 現代における六曜との向き合い方

六曜は、長い歴史の中で育まれた「文化的慣習」です。現代において、その吉凶を過度に信じ込む必要はありません。

しかし、冠婚葬祭など多くの人が関わる場面では、コミュニケーションを円滑にするための「共通言語」や「マナー」として機能している側面もあります。そのため、六曜の本来の意味や歴史的背景を知った上で、自身の価値観や周囲との調和を大切に、柔軟に付き合っていくのが望ましいでしょう。