Excel:文章の表記や体裁を変更するやり方[コピペで可能・コード付き]

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Excel:文章の表記や体裁を変更するやり方

校正・校閲の領域でもデジタル化の波は年々進んでいますが、まだ人に置き換わるツールは存在しません。現在の校正に関するデジタルツールは、部分的に活用することで、その効果を最大に発揮できるものがほとんどです。

そんなデジタルツールですが、有料のソフトを購入したり、ネットでフリーソフトを探したりしなくても、自分で作ることができます。自分で作るといってもそんなに難しくはありません。

ここではエクセルのマクロを使用しますが、マクロといってもコードをあらかじめ用意しています。コピペと文字入力さえできれば、誰でも簡単にできます。

非常にシンプルなマクロです。マクロを全く知らないという方でも、すぐに自分用にカスタマイズすることが可能です。

このマクロを使えば、表記ゆれや体裁の修正が一括でできます。エクセルの完全一致で検索・置換するので精度は100%です。ひと手間かけるだけで、校正作業の負荷を軽減することができます。

まずは、自分で作ってみて『こんなことができるのか』と実感してみてください。

すぐに活用する機会がなくても、知識だけでも頭に入れておいて、自分の業務で使える部分はないか探してみてください。

1. 体裁を整える全角英字を半角に直す

最初は、体裁の一括修正を行います。これだけ覚えておくだけでも、ここで紹介するマクロの使い方の8割ぐらいを知ることができます。

【準備】

まずは、エクセルで新しいブックを作成します。もしくは、既存のブックをコピーしたものを用意してください。

マクロを使って修正したものは「Ctrl+z」で取り消しができません。また、他に開いているエクセルブックがあれば、それにもマクロが適用されるので閉じておいてください。

ここから順を追って、全角の英字を半角に自動で直すマクロの説明をしていきます。

[1]

どこのセルでも大丈夫です。全角で「ABC」と入力してください。
その下に、半角で「ABC」と入力します(※この半角のABCは比較用です)。

デジタル校正エクセル
ここで入力した全角の「ABC」を、自動で半角の「ABC」に修正できるように設定します。

[2]

【表示】タブ →【マクロ】→【マクロの表示】へ進みます。

デジタル校正エクセル

[3]

【マクロの表示】をクリックすると、次の画面が表示されます。

デジタル校正エクセル

[4]

【マクロ名】の欄に、今から作るマクロの名前を入力します。何でも大丈夫ですが、ここでは『全角英字を半角に』とします。その後、作成ボタンを押してください。


■ 青枠の「マクロの保存先」は、デフォルトで「開いているすべてのブック」となっています。他にブックを開いていると、そのブックにもマクロが保存されます。他のブックが閉じているか再度確認してください
※もしくは、プルダウンから保存先のブックを選ぶことができます。

[5]

マクロの編集画面です。

デジタル校正エクセル
この画面の『Sub 全角英字を半角に()』と『End Sub』の間の行に、次のコードをコピペします。
※Windows用です。


    Cells.Select
    Selection.Replace What:="A", Replacement:="A", LookAt:=xlPart, _
        SearchOrder:=xlByRows, MatchCase:=False, SearchFormat:=False, _
        ReplaceFormat:=False
    Cells.Select
    Selection.Replace What:="B", Replacement:="B", LookAt:=xlPart, _
        SearchOrder:=xlByRows, MatchCase:=False, SearchFormat:=False, _
        ReplaceFormat:=False
    Cells.Select
    Selection.Replace What:="C", Replacement:="C", LookAt:=xlPart, _
        SearchOrder:=xlByRows, MatchCase:=False, SearchFormat:=False, _
        ReplaceFormat:=False

コードについての説明

コードは、3つのブロックで構成されています。の部分以外は3つともすべて同じです。

① ~ ③ は、すべて同じ動きをするコードです。
① を見てみると、全角の「」を検索して、半角の「A」に置き換えるという指示です。
② と ③ も同様です。


[6]

コピペし終えたら、右上の「×」ボタンで一旦画面を閉じてください。自動で保存されます。

デジタル校正エクセル

[7]

再度、【マクロの表示】からマクロの画面を表示させます。

デジタル校正エクセル

[8]

あとは、「実行」を押すだけです。
これで[1]で入力した全角の「ABC」が半角に変わります。

デジタル校正エクセル

[9]

結果です。
比較用に入力した半角の「ABC」と同じものになっているはずです。

デジタル校正エクセル

基本的な手順はこれで終了です。

ここでは、ABCの3文字だけでしたが、記事の最後に『全角の英数字を半角に直すコード』の完全版を用意していますので、この手順で試してみてください。

少し手間をかけるだけで、全角の英数字が何千文字あっても、一瞬で半角に修正することができます。さらに、全角と半角の混在は英数字だけではないので、記号類などにも応用して使えます。

2. ショートカットキーでさらに便利に

ここからは応用です。応用といっても、コピペと部分的な文字修正をするだけです。

ショートカットキーの設定をしてさらに手順を省力化します。

[1]

【マクロの表示】から、マクロの画面を表示させます。
【オプション】を選択します。

デジタル校正エクセル

[2]

「ショートカットキー」の欄に「 q 」と入力します(※「 q 」以外でも大丈夫です)。
これでショートカットキーの設定ができました。
あとは、「OK」を押して画面を閉じてください。

デジタル校正エクセル

[3]

再度、全角の「ABC」と入力してください。
あとは、設定したショートカットキーの「 Ctrl+q 」を押すだけです。

デジタル校正エクセル

[4]

結果です。
これで、マクロの画面を開いて「実行」ボタンを押さなくても、ショートカットキーで修正することができます。

デジタル校正エクセル

3. 表記を修正する1

エクセルで文章の入力をするという方は少ないかもしれませんが、このマクロで文章の表記を修正することもできます。

[1]

【マクロの表示】から、マクロの画面を表示させます。
【編集】を選択します。

デジタル校正エクセル

[2]

マクロの編集画面が表示されます(※最初にコードをコピペした画面です)。

ここで以下の部分の文字を修正してください。
--------------------------------------------------
赤枠の全角の「」を「下さい」に修正
青枠の半角の「A」を「ください」に修正
--------------------------------------------------
→ これで「下さい」を「ください」に修正するコードができます。
修正できたら、右上の「×」ボタンで画面を閉じます。自動で保存されます。

デジタル校正エクセル

[3]

シートに「下さい」と入力してください。
あとは、ショートカットキーの「Ctrl+q」を押すだけです。

デジタル校正エクセル

[4]

結果です。
下さい」が「ください」に置き換わります。

デジタル校正エクセル

この要領で、任意の文字の置き換えができます。

4. 表記を修正する2

ここからは、「下さい」と「ください」の応用です。

[1]

【マクロの表示】→【編集】と進み、【マクロの編集画面】を開きます。
赤枠の部分を下にコピペします。
※「Bを置換するコード部分」と「Cを置換するコード部分」のコピペです。

デジタル校正エクセル

[2]

「下さい」と「ください」を修正した要領で以下の文字に修正してみてくだい。
----------------------------------------
頂く   ⇒  いただく
又は   ⇒  または
一つづつ ⇒  一つずつ
内臓   ⇒  内蔵
----------------------------------------

修正できたら、右上の「×」ボタンで画面を閉じます。自動で保存されます。

デジタル校正エクセル

[3]

シートに「下さい」「頂く」「又は」「一つづつ」「内臓」と入力します。
あとは、「Ctrl+q」を押すだけです。

 

[4]

結果です。
すべての文字が、置き換わっていると思います。

このようにコードの一部を修正するだけで、どんな文字にも置き換えることができます。

5. 気を付けておきたいこと

気を付けておきたいことは2点です。

1.マクロで行った修正は強制的に上書き保存されますので「Ctrl+z」で取り消しができません。そのため、ブックを複製してから作業を行ってください。

2.複数のエクセルブックを開いていると、他のブックにもマクロが適用されます。マクロを使用する場合は、他のブックを閉じておいてください。

この2点さえ気を付けておけば、あとは何の問題もなく、簡単に文章の表記や体裁を自動で変更できます。

デジタル校正について、興味のある方は次のソフトも無料で体験できます。

1.デジタル校正ソフトウェア(PDF比較)「Proof Checker PRO」
   ・動画解説あり。デモ版がダウンロードできます。
   【公式サイト】> こちら

2.文章校正支援ツール Just Right!6 Pro
   ・体験版がダウンロードできます。
   【公式サイト】> こちら