「以下」と「下記」の違いと使い分け|「以下のとおり」「下記のとおり」の正しい使い方

information

「以下」と「下記」の違いと使い分け|「以下のとおり」「下記のとおり」の正しい使い方

「以下」と「下記」は、どちらも後ろに続く内容を示す表現ですが、使う場面が少し異なります。

たとえば、「○○社(以下『当社』という。)」とは言いますが、「○○社(下記『当社』という。)」とは言いません。この違いは、「以下」が「これより後(これ以降)」という順序を表すのに対し、「下記」は「下に記した箇所」という位置を表す点にあります。

次の図のように、「以下」は、これ以降、もしくはこれから続く内容全体、つまりその語より後に述べられる内容を広く指す場合に使います。一方、「下記」は、下に記載されている特定の箇所を具体的に指す場合に使います。

このイメージを頭に思い浮かべておくと、「以下」「下記」や「以下のとおり」「下記のとおり」も使い分けやすくなります。

1.「以下」の意味と使い方

「以下」は、「これから述べる内容」「この後に続く内容」という意味で使います。箇条書きだけでなく、文章による説明が続く場合にもよく使います。

以下の内容をご確認ください。

・申請内容
・添付書類 
・提出期限

次のように説明文を導く場合にも自然に使えます。

以下、今回の変更理由をご説明いたします。

今回の変更は、確認作業の効率化と提出書類の明確化を目的としており、確認項目や必要書類を事前に整理することで、申請内容の把握を容易にし、確認漏れや差し戻しの防止につなげるものです。

このように、後ろにまとまった説明が続く場合は、「下記」よりも「以下」がしっくりきます。

手順や条件を示す場合にも、「以下」はよく使われます。

以下の手順でお手続きください。

1. 申請内容を入力する 
2. 必要書類を添付する 
3. 内容を確認して送信する

以下の条件をすべて満たす場合、申請できます。

・本人確認が完了していること
・申請期限内であること
・必要書類に不備がないこと

契約書、規約、社内文書などでよく見られる、略称で表記する場合にも「以下」を使います。

株式会社校正視点(以下「当社」といいます。)は、次のサービスを提供します。

このような表現は、契約書や規約などで用いられる略称の慣用的な言い回しです。以後その文書内で「当社」という名称を用いる、という意味になります。略称を定義する場合、「下記」は使えません。

2.「下記」の意味と使い方

「下記」は、文字どおり「下に記した内容」を指します。日時・場所・連絡先など、整理して記載された具体的な事項を示すときに向いています。

会議の詳細は下記のとおりです。

日時:7月10日 14:00〜15:00
場所:本社会議室A
議題:月次報告

この場合、「下記」は、下に書かれている「日時」「場所」「議題」という具体的な情報を指しています。

「下記」は、やや事務的で硬めの表現です。ビジネスメール、案内文、通知文、公的な文書などでよく使われます。

下記のとおり、定例会議を開催いたします。

日時:○月○日 14:00〜16:00
場所:第2会議室

お問い合わせは下記の連絡先までお願いいたします。

担当:○○
TEL:000-0000-0000
Mail:xxxxx@example.com

日時、場所、住所、宛先、連絡先のように、下に具体的な項目を並べる場合は「下記」がよく合います。

3.「以下のとおり」と「下記のとおり」の違い

「以下のとおり」は、手順・条件・理由・方針など、流れのある内容を示す場合に使うのが自然です。

申請手順は以下のとおりです。

1. 申請フォームに入力する
2. 必要書類を添付する
3. 内容を確認して送信する
4. 承認結果を確認する

一方、「下記のとおり」は、日時・場所・連絡先・宛先など、具体的な項目を下に整理して示す場合に使うのが自然です。

下記のとおり、説明会を開催いたします。

日時:8月1日 10:00〜11:00
場所:本社3階 会議室
対象:新入社員

「以下のとおり」はこの後に続く内容を受ける表現で、「下記のとおり」は下に整理して示した項目を受ける表現です。

4. 箇条書きではどちらも使える

箇条書きが続く場合、「以下」も「下記」も使えることがあります。

以下の項目をご確認ください。

・氏名
・住所
・電話番号
・メールアドレス

下記の項目をご確認ください。

・氏名
・住所
・電話番号
・メールアドレス

どちらも誤りではありません。ただ、印象には差があります。

「以下の項目」は一般的で柔らかく、メール本文や説明文で使いやすい表現です。一方、「下記の項目」は事務的で正式な印象があり、通知文や申請案内などに向いています。

5. 正式文書で使う「記」「以上」

正式な案内文や通知文では、「下記」と「記」「以上」を組み合わせる形式があります。

セミナーを下記のとおり開催いたします。

       

1. 日時 ○月○日 14時30分
2. 場所 本社会議室
3. 内容 生成AIの利用規約について

                以上

「記」は、「これから具体的な事項を記します」という意味です。「下記」は、このような正式文書の形式と相性がよい表現です。ただし、通常のメールやチャットでは、必ずしも「記」「以上」を使う必要はありません。

6. メール・チャットでの注意点

「下記」は、文書上の「下に記した内容」を指す表現です。そのため、紙の文書やPDFのようにレイアウトが固定されている媒体では使いやすい一方、メールやチャットでは表示環境によって位置が変わることがあります。

その場合は、次のように書いておくと安心です。

詳細は以下のリンクをご確認ください。
詳細は次のリンクをご確認ください。
詳細は本文末尾のリンクをご確認ください。

レイアウトが固定されていない場合は、「以下」や「次の」を使うほうが誤解を避けやすくなります。

7. よくある誤用と判断基準

迷った場合は、「その語の後ろに、独立した具体的な記載情報があるかどうか」を確認すると判断しやすくなります。

説明文、手順、条件、理由などがこの後に続く場合は、「以下」が自然です。

以下、理由をご説明いたします。 
以下の手順でお手続きください。 
以下の条件を満たす場合に限ります。

一方、日時・場所・住所・連絡先などを下に整理して示す場合は、「下記」が自然です。

下記のとおり、会議を開催いたします。
お問い合わせは下記の連絡先までお願いいたします。 
必要書類を下記住所までご送付ください。

次のような表現は、不自然になりやすいため注意が必要です。

①「下記、説明します」は不自然

× 下記、理由を説明します。
以下、理由を説明します。 
理由は以下のとおりです。

「下記」は、下に整理された項目を指す表現です。そのため、「理由を説明します」のように、これから続く説明や内容を示す場合は、「以下」を使うほうが自然です。

② 住所など具体的な事象を示す場合は「下記住所」が自然

下記住所までご送付ください。
以下住所までご送付ください。
以下の住所までご送付ください。

住所のような具体的情報を下部にまとめて示す場合は「下記住所」が自然です。「以下」に置き換えることも可能ですが、「以下住所」とするとやや詰まった印象を与えます。この場合は「以下住所」とすると読みやすい形になります。

③ 略称では「以下」を使う

契約書や規約の略称では、「下記」ではなく「以下」を使います。

株式会社ABC(以下「当社」といいます。)
× 株式会社ABC(下記「当社」といいます。)

この場合の「以下」は、「これ以後」という意味です。

おわりに

以下」は、この後に続く内容を広く受ける表現で、説明文・手順・条件・略称などに使えます。「下記」は、下に整理して記載した具体的事項を示す表現で、日時・場所・住所・連絡先などを示す場合に向いています。

迷ったときは、説明の流れを受けるなら「以下」、下に独立した記載情報があるなら「下記」と考えると使い分けやすくなります。