元日と元旦の違い|正しい意味を理解して新年を迎えよう

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元日と元旦の違い|正しい意味を理解して新年を迎えよう

新年の挨拶をする際、何気なく「元日(がんじつ)」や「元旦(がんたん)」という言葉を使っている方は多いかもしれません。この二つの言葉は、一年の初めの日に使用するという共通点があり、文字の見た目も非常に似ています。そのため、同じような意味として誤った使い方をされることも多いです。

この記事では、誤解しやすい「元日」と「元旦」の正しい意味と使い分けについて、例文を交えながら紹介しています。

The Meaning of New Year's Day Words

[記事作成にあたっては、以下の書籍・辞書・サイトを参考にしています]

・『デジタル大辞泉』(小学館)
・『新明解国語辞典 第八版』(三省堂)
・『広辞苑 第七版』(岩波書店)
・『明鏡国語辞典』(大修館書店)

1. 元日(がんじつ)の意味と使い方

まずは「元日」について説明します。

<意味>
元日」は法律によって定められた「国民の祝日」の一つで、一年の最初の日、1月1日という日そのものを指します。つまり、1月1日の0時から24時までの丸一日のことを「元日」と言います。

<例文>
「毎年、元日に初詣に行きます。」
 → 1月1日の朝・昼・夜問わずどこかの時間に初詣に行く。
元日は休業とさせていただきます。」
 → 1月1日は丸々一日、完全に休み。
元日に届くよう年賀状を手配いたしました。」
 → 1月1日中に配達される。

2. 元旦(がんたん)の意味と使い方

次に「元旦」です。こちらが少し注意が必要な言葉です。

<意味>
元旦」は、元日の朝、つまり1月1日の朝(午前中)を指します。「旦」という漢字は、地平線(一)から太陽(日)が昇る様子を表した象形文字です。このことから、「元旦」は「一年のはじまりの朝」を意味します。

<例文>
元旦に新年のご挨拶を申し上げます。
元旦に今年の目標を立てました。
元旦の清々しい空気の中、初詣に行きました。

→ 一年のはじまりである元日の「朝」を強調したいときに使用します。

3. 元日と元旦の違いと使い分け例

前述したように「元日」と「元旦」は、どちらも一年の最初の日に使用しますが、「元日」は1月1日の24時間全体を指し、「元旦」は1月1日の朝(午前中)を指すという違いがあります。

※朝の時間は正確に何時から何時までと断言できませんが、日の出からの数時間、もしくは一般に日の出から正午までを指します。

次のように、元日という一日の中に、元旦という時間帯が含まれると考えればわかりやすいです。

The Meaning of New Year's Day Words

誤った使用例正しい使用例>

・誤った使用例
 元旦の朝  元旦だけで朝の意味を含むため、さらに「朝」の言葉が付くのは不適切
 元旦の夜  元旦は朝のことを言うため、「夜」が付くのは不適切

・正しい使用例
 元日の朝 
 元日の夜 

以上のように、「元日」と「元旦」には明確な違いがあります。一年の初めの朝を強調したい場合には「元旦」を使用し、特に「朝」にこだわりがない場合や1月1日全体を指すのであれば、「元日」を使うのがよいでしょう。

おわりに

現在では、「元日」も「元旦」も同じ意味として使われることもありますが、本来の意味を理解しておくことで言葉の理解が深まります。二つの意味を正しく理解して、気持ちの良い新年のスタートを切りましょう。