校正記号:ルビ(モノルビ・グループルビ・熟語ルビ)

ルビ(モノルビ・グループルビ・熟語ルビ)

ルビは、身近なところでいうと教科書や絵本などでよく見られます。単に漢字のふりがなとしてのイメージが強いルビですが、その体裁は幾つもあります。非常に奥が深いものです。

ルビの効果的な勉強方法は、自分が携わる媒体に応じたものの知識を深めていくことです。仮にルビの振り方を全部覚えたとしても、実際の仕事で役立つ部分は限られてきます。

そのため、ここでは校正者として知っておきたいルビの基本知識や赤字の入れ方を紹介していきたいと思います。

1:ルビの種類と意味

ルビの振り方には、漢字すべてにルビをつける「総ルビ」と特定の漢字のみにルビをつける「パラルビ」とがあります。さらにパラルビでは、特定の漢字が複数出てくる場合、すべてにルビをつけるのか、初出のみにつけるのかでもわかれてきます。

このような方針は、企業や媒体ごとにあらかじめ決められているため、そのルールに従います。

 ルビの振り方

ルビを振る対象の文字を「親文字」とよびます。
その親文字に対して、ルビを振る代表的な方法が次の3つです。

① モノルビ

モノルビ  モノルビ

一つ一つの親文字に対してルビを振る方法です。
渋谷でいえば「渋」と「谷」の字が、親文字になります。

② グループルビ(=均等ルビ)

グループルビ・均等ルビ  グループルビ・均等ルビ

複数の親文字を一つのグループとして捉え、その範囲内でルビを均等に振る方法です。

③ 熟語ルビ

熟語ルビ  熟語ルビ

(※ルビでは、「しんじゆく」の「ゆ」のように小さい文字を使用しないこともあります)

熟語を構成する漢字一字に対して3字以上のルビが付く場合に、熟語単位でルビを配置する方法です。熟語を構成するそれぞれの漢字に付くルビが2字以下であれば、モノルビと同じ振り方になります。

たとえば、新宿の文字にモノルビを付けた場合。

ルビ
  ↓
モノルビ

「宿」の文字よりも、ルビの左右幅のほうが大きくなるので、「新」と「宿」の間を空けて調整されることがあります。このような状態を避けるために、熟語である「新宿」を一つの塊とみなしてルビを振る方法が熟語ルビです。

モノルビ
  ↓
熟語ルビ

※熟語ルビの調整の仕方には複数あります。

2:ルビの赤字の入れ方

赤字の入れ方_1

ルビの赤字を入れる場合には、ルビの上に次の記号を付けます。

 校正記号のルビとふりがな

1.モノルビの赤字

校正記号のルビとふりがな

校正記号のルビとふりがな

2.グループルビ(均等ルビ)の赤字

  校正記号のルビとふりがな

3.熟語ルビの赤字

校正記号のルビとふりがな
※各親文字に付くルビごとに記号を付け、さらにルビ全体にも記号を付けます。

赤字の入れ方_2

1.ルビを訂正する

 校正記号のルビ

2.ルビを挿入する

校正記号のルビとふりがな

3.ルビを削除する

校正記号のルビ

※通常の文字を削除する指示と同じです。「トルツメ」でも大丈夫です。

3:ルビの解説(熟語ルビ)

熟語ルビとグループルビは、非常によく似ています。仕上がり結果だけ見れば、区別がつきにくいものが多いです。

熟語ルビは、モノルビグループルビの特性をあわせもつものです。グループルビの体裁を意識したモノルビともいえます。

熟語ルビとグループルビの明確な違いの一つとして、グループルビは複数の親文字を一つのまとまりとしてルビを振るため、文字を分割することはできません(泣き別れ不可)。逆に、熟語ルビはモノルビの要素があるので分割可能です。

4:ルビで注意する点

PDFからコピペして文字情報を取る場合は、ルビの体裁が崩れてしまうので注意が必要です。特に、紙媒体の情報をWebに転用する場合などは要注意です。

コピペすると次のように体裁が崩れていまいます。ルビが多いと修正するだけでも大変です。

・文字単位(モノルビ)で設定している場合

校正記号のルビ

あらかじめデータを二次利用するとわかっているなら、ルビの形式でなく単語の後ろに括弧で読みを入れるのも間違いを防ぐ一つの手段です。

・ルビの代わりにパーレンを使用する例

渋谷(しぶや)

※括弧で読みを補足するやり方は、紙媒体でもよく見かけます。特に珍しい手法ではありません。

5:ルビの勉強の仕方

ルビを入れる基準は、出版社や媒体、担当者レベルによっても異なってきます。何が正しいというより単純に好みによります。

ルビの配置方法は多く複雑です。自動で処理されることもあります。
そのため、校正者としては次の順で学習するのが効率的です。

1.まずは、ルビとはこのようなものだという枠組みだけ覚えておく
2.自分が携わる媒体で使用されているルビを知る
3.2の配置方法や赤字の入れ方をより詳しく勉強する

※ルビの振り方については、校正者よりもオペレーターやデザイナーに教えてもらうほうがわかりやすいと思います。

ルビに関してさらに詳しく知りたいという方は、JAGATのホームページで詳しく解説されていますのでご覧ください。
【参照】JAGAT_日本語組版とつきあう > https://www.jagat.or.jp/1945-2

補足:Wordでのルビの振り方(モノルビ・グループルビ)

1.Wordでルビを振る場合は、ルビを振りたい文字を選択し、赤枠のマークをクリックすることでできます。

校正記号のルビとふりがな

2.【文字単位】が、モノルビのことです。画面下のプレビューでモノルビ表示されていることが確認できます。

校正記号のルビ・ふりがな

3.【文字列単位】が、グループルビのことです。

校正記号のルビとふりがな

4.ルビの配置方法は、5つありますが【均等割り付け2】が標準の設定です。特に横書きの場合はこの設定のままで問題はありません。

校正記号のルビとふりがな

5.縦書きの場合も、ルビの設定は横書きと同じです。

校正記号のルビとふりがな

6.横書きではほとんど見かけませんが、縦書きの場合には「肩付きルビ」というルビの振り方が見られます。Wordでの設定は、配置の「左揃え」を選択します。

 

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