文章校正記号：この記号の意味は？［イラストから記号の意味を逆引き検索］
原稿の赤字を見ていて、
「この記号って何だろう？」「この指示ってどういう意味なの？」と感じたときに、この記事をご覧になっていただければと思います。
校正記号を使用したイラストをメインに、その使い方を簡潔に記載しています。文中の「→ 詳細」は、関連する記事へのリンクとなります。より詳しく校正記号の使い方を紹介しています。
記事内には見慣れない校正記号もあるかと思います。すべてが重要で使用すべきというものではありません。校正記号の意味を知っておくことは大切ですが、使うとなれば別です。
伝わりづらい、目立たないような校正記号の使用はなるべく避けるようにしましょう。
※文章中の校正記号は『JIS Z 8208:2007（印刷校正記号）』を参考にしています。
1. 線の組み合わせで表す記号
１.「∨」や「∧」の記号の先端部分が、文字列に突き刺さっている場合は、アケル指示になります。
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２. 1の応用です。複数箇所をアケル指示です。
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３.「∧」や「∨」の記号がアキスペースを挟む形になっている場合は、ツメル指示になります。
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４. 3の応用です。複数箇所をツメル指示です。
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「アケル指示は、ドリルでアキをこじあける」
「ツメル指示は、ハサミでアキをカットする」
このイメージで覚えればわかりやすいと思います。
５. 右に移動する
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６. 左に移動する
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７. 行頭を一字下げる
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８. 行頭の一字下げをなくす
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９. 段落単位、行単位で移動（図表に対しても使えます）
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アキやツメの記号と移動の記号を組み合わせることで色々な指示ができます。
・全角アキを入れて左右に広げる
・全角アキを入れて左に広げる
・左右を寄せてアキを詰める
10. 改行する
※改行後に一字下げしない場合は、「下ゲズ」もしくは「天ツキ」と書き添えます。
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11. 改行をなくす
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12. 前の行へ文字を送る
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13. 次の行へ文字を送る
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14. 前のページへ行を送る
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15. 次のページへ行を送る
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16. 隣り合う文字を入れ替える（S字記号の向きはどちらでも大丈夫です）
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17. 離れた文字を入れ替える
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18. 行を入れ替える
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19. 文字に直接∧の記号が付く場合は、文字を小さくする指示になります。
たとえば、上付き文字を通常の大きさの文字にするとき、
通常の大きさの文字を下付き文字にするときに使います。
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20. 文字に直接∨の記号が付く場合は、文字を大きくする指示になります。
たとえば、下付き文字を通常の大きさの文字にするとき、
通常の大きさの文字を上付き文字にするときに使います。
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21. 文字に直接二重の∧の記号が付く場合は、下付き文字にする指示になります。
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22. 文字に直接二重の∨の記号が付く場合は、上付き文字にする指示になります。
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※以下の23～27は、記号だけでは目立たないので文字とセットで使用するのが推奨です。
23. 小文字を大文字にする［欧文］
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24. スモールキャップ（小キャップ）にする［欧文］
※「small capital」の略。小文字の大きさのまま大文字にする指示です。
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25. イタリック体（斜体）にする
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26. ボールド体（太字）にする
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27. 立体（ローマン体）にする
※立体…垂直に正立した書式のこと
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28. 傍点（圏点）を入れる
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29. 文字を訂正・削除するときに使う引出し線
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30. 文字を挿入（追加）するときに使う引出し線
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31. 体裁を正すときに使う引出し線
※フォントの変更や文字サイズの変更など
句読点や小書き文字、下付きの文字の赤字を入れる場合には「∧」の記号を付け加えます。上付きの文字には「∨」の記号を付けます。
■ ∧ の記号が付く例
・句読点、小書き文字、下付き文字など
■ ∨ の記号が付く例
・上付き文字、引用符、アポストロフィなど
※「∧」や「∨」の記号は省略してもよい場合もありますが、付けておいたほうが見間違えを防げるので安心です。
2. 四角で表す記号
１. □は全角スペースを表します。全角アキを入れるときや、記号類を全角ドリにするときに使います。
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２. 全角中黒
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３. 全角ダーシ
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４. 全角ダーシ ※3の形状違い
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５. 2倍角ダーシ（2文字分）
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６. スラッシュ
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７. 三点リーダー（2文字分）
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８. 三点リーダー（2文字分）※7の形状違い
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3. 文字で表す記号
文字で表す校正記号は単体で使用するものではなく、引出し線や前述の「1. 線の組み合わせで表す記号」とセットで使用します。
１. 削除して、空いた箇所を詰める
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２. 削除して、空いた箇所をそのままにする
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３. すべて同じ意味です。書き入れた赤字を取り消すときに使います。
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４. 全角アキや、全角ドリにするときに使用
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５. 全角の二分の一のこと。半角アキや、半角ドリにするときに使用
※二分の読みは「にぶ」もしくは「にぶん」となります。
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６. 全角の三分の一のこと。使用例は半角と同様
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７. 全角の四分の一のこと。使用例は半角と同様
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８. 全角の2倍（2文字分）のこと、主にアキ幅を調整するときに使用
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９. 全角の3倍（3文字分）のこと。主にアキ幅を調整するときに使用
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10. 全角の4倍（4文字分）のこと。主にアキ幅を調整するときに使用
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11. 全角文字にするときに使用
たとえば、半角カタカナを全角カタカナにするときなどに使います。
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12. 半角文字にするときに使用
たとえば、全角数字を半角数字にするときなどに使います。
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13. 上付き文字にする
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14. 下付き文字にする
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15. 小書きの文字などを普通の大きさの文字にする
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16. 普通の大きさの文字などを小書き文字にする
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17. 大文字にする［欧文］
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18. 小文字にする［欧文］
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19. スモールキャップ（小キャップ）にする［欧文］
※「small capital」の略。小文字の大きさのまま大文字にする指示です。
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20. ゴシック体にする
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21. 明朝体にする
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22. 立体（ローマン体）にする
※立体…垂直に正立した書式のこと
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23. イタリック体（斜体）にする
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24. ボールド体（太字）にする
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25. 字間にアキのない状態にする
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26. 字間のアキを均等にしたいときに使用
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27. 下線を入れるときに使用
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28. ポイントの略。文字のサイズを正すときに使用
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29. 級数の簡易表記。文字のサイズを正すときに使用
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30. 行の英語表記「Line」の略。
※2行、3行などを、2ℓ、3ℓなどで指示する
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おわりに ～校正記号の適切な使い方～
校正記号には、使用頻度が高いものや低いもの色々あります。一つの校正記号であっても、複数の指示に使用できるものもあります。環境によっても、使用する校正記号は変わってきます。
状況によっては、文にして指示することや図で書いて指示する必要も出てきます。
簡潔・明瞭という校正記号表のルールを踏まえつつ、より相手にわかりやすく伝わりやすい校正指示を心掛けることが大切です。
