「ぱ行」の読みを持つ珍しい漢字6選|半濁音を含む漢字の由来と意味

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「ぱ行」の読みを持つ珍しい漢字6選|半濁音を含む漢字の由来と意味

日本語には「ぱ・ぴ・ぷ・ぺ・ぽ」といった半濁音を含む読みを持つ語が数多く存在します。

その多くは、「出版(しゅっん)」「切符(きっ)」「散歩(さん)」のように、二つの漢字が結びついて発音が変化したものです。

半濁音とは?
「ぱ・ぴ・ぷ・ぺ・ぽ」のように、丸い記号(半濁点「 ゜」)が付く音のことです。現代の日本語において、この半濁音にあたるのは「ぱ・ぴ・ぷ・ぺ・ぽ」の「ぱ行」の音だけです。
※ちなみに、濁音は「 ゛」が付く音のことで、「が行・ざ行・だ行・ば行」などをいいます。

ただし、漢字一字からなる語の読みの中に、半濁音が含まれる例は、膨大な漢字が存在する中でも極めて稀な存在です。この記事では、そのような極めてレアな6つの漢字について紹介します。

[記事作成にあたっては、以下の書籍・辞書・サイトを参考にしています]

『広辞苑』(岩波書店)
『大辞林』(三省堂)
『デジタル大辞泉』(小学館)
『漢字ペディア』(日本漢字能力検定協会、https://www.kanjipedia.jp)
『コトバンク』(https://kotobank.jp)
『漢字文化資料館』(大修館書店、https://kanjibunka.com)

1. 日本のことばが変化して生まれた読み

以下の漢字は、もともと日本にあった言葉が、長い歴史の中で「話しやすい音」へと変化した結果、半濁音を含む読みになったものです。

① 慮る(おもんぱかる)

「慮る」は、相手の事情や気持ちをじっくりと深く考える、という意味の言葉です。「相手の気持ちを慮って、言葉を選んだ」というように使います。

この言葉は、もとは「思い(おもい)」と「計る(はかる)」が組み合わさった「おもいはかる」に由来するとされます。これが「おもんはかる」へと変わり、さらに「ん」の音の影響を受けて後ろの「は」が「ぱ」に変化し、「おもんぱかる」という形になったとされます。

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② 鼈(すっぽん)

「鼈」は、淡水にすむカメの仲間で、食用としても知られています。画数が多く難しい漢字というだけでなく、読みの中に「っ(促音)」と「ぽ(半濁音)」の両方を含んでいるという、かなり珍しい漢字です。「月とすっぽん(鼈)」ということわざで有名です。

語源については諸説ありますが、一つに、水に飛び込むときの「すぽん」という音、あるいは水がはねる「ぱしゃん」「ぼちゃん」といった擬音語に由来するという説があります。こうした音をまねた言葉がもとになり、現在の呼び名へと変化していったと考えられています。

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2. 西洋との出会いから生まれた読み・用法

以下の漢字は、明治時代に西洋から入ってきた新しい言葉や単位を、漢字で表そうとする動きから生まれたものです。そこから定着したものは多くありますが、半濁音の読みを持つ漢字はごくわずかです。

① 頁(ページ)

「頁」は、本や書類の一面を表す字で、英語の「page」に対応する語として使われるようになり、その音から「ページ」と読まれるようになったものです。「詳細は資料の三頁に記載されている」のように、今でも比較的よく見かけます。

この漢字は、もともと中国語では「頭」や「ひたい」を表す字で、ひざまずく人の姿に頭部を強調してかたどった象形文字でした。漢字の「頭」や「顔」に部首(おおがい)として使われているのはそのためです。

本来は「頭・かしら」を表す字でしたが、のちに書物の紙の一面を指す用法も生まれました。日本では明治期に英語の「page」が入ってきた際、この「一面」の意味に重ねる形で「頁」という漢字に「ページ」という読みが定着したとされます。

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② 磅(ポンド)

「磅」は、重さの単位「ポンド」を漢字一字で表したものです。中国で英語の「pound」の音訳として使われていた漢字を取り入れ、明治時代に西洋の単位を漢字で書きあらわす必要から「ポンド」という読みを当てて使われました。

現在では「ポンド」とカタカナで書くのが一般的です。漢字のポンドは、今では古い資料などにわずかに残っているだけです。ポンドという単位そのものは今も使われていますが、「磅」という漢字表記は日常ではほとんど使われなくなりました。

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3. 中国から伝わった娯楽の音

以下の漢字は、中国で生まれ、日本でも浸透している「麻雀(マージャン)」の道具やルールとともに伝わったものです。中国語系の発音をもとに、日本語の麻雀用語として知られる漢字です。

① 牌(パイ)

「牌」は、麻雀などで使う札や駒のことです。「麻雀牌(マージャンパイ)」の「牌」としてよく知られています。

中国語の「パイ」と読まれる音を取り入れたもので、もともとの音読みは「はい」です。「位牌(いはい)」という言葉に使われているように、本来は「平らで硬い板」という意味を持っています。それが、麻雀とともに中国語由来の音がそのまま日本語に入ってきた例です。

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② 碰(ポン)

「碰」は、麻雀で、他の人が捨てた牌を取って同じ牌を三枚そろえるときの宣言です。中国語で「ぶつかる」「出会う」を意味し、「ポン」と読まれる言葉に由来します。他の人が捨てた牌と自分の手の中の牌が「出会う」という、その意味が麻雀の動きと重なっていることがわかります。

日常生活でこの漢字を見かける機会はほとんどありませんが、麻雀の世界では「ポン」という音は普通に残っています。

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おわりに

漢字一文字で「ぱ行」の音を持つ言葉は、数ある漢字の中でも非常にレアな存在です。

今回紹介した6つの漢字には、日本語の音が変化したものや、海外から入ってきた言葉の影響を受けたものなど、それぞれに違った背景があります。

一見すると難しく、とっつきにくい漢字でも、そのルーツを知ると見方が変わり、思いがけない発見がいくつも見つかるはずです。