校正・校閲の括弧

括弧(かっこ)の名称と赤字の入れ方

【関連記事】≫  括弧の修正・挿入[そのカッコ、和文?欧文?]

1.括弧(かっこ)の名称

括弧(かっこ)の名称

「 」 かぎ括弧
※会話・強調・書名・雑誌名などに使用

『 』 二重かぎ括弧
※書名・雑誌名、また「 」の中にさらにカッコを入れたいときに使用
例:ウロンスキーさんと仰っしゃるんですか、アンナ・カレニナの中に出て来ますね

‘  ’  コーテーションマーク
※横組・欧文で「 」に替わるものとして使用

“  ”  ダブルコーテーションマーク
※横組・欧文で『 』に替わるものとして使用

( ) パーレン(丸括弧) 
※補足説明・小見出しの番号などに使用
例:(1)、(2)

[ ] ブラケット(角括弧)
※数式・化学式などに使用されることが多い


【 】 隅付き括弧(隅付きパーレン)
〔 〕 亀甲括弧
〈 〉 山括弧
《 》 二重山括弧
※これらは、主に強調・引用などに使用


カッコの使用方法に関しては、特に厳密なルールが存在しているわけではありません。

たとえば、「見出しの文字」や「文字を強調したいとき」などに使用するカッコは特に決まっていません。会社や媒体で使用ルール決めをしていることが多いです。

【見出し】 《見出し》  [見出し]   
【強調】  《強調》   [強調]


というように、どのカッコを使用しても問題ありません。

ただ、学術書、数式・化学式などでは、カッコを使用する順番や引用にはどのかっこを使用するかのルール決めされているので注意が必要です。

2.前の括弧・後ろの括弧の読み分け方

「前のカッコ」と「後ろのカッコ」を区別するため、次のように読み分けることがあります。

   ・前のカッコ     ・後ろのカッコ
(1)「起こしのカッコ」⇔「受けのカッコ」
(2)「カッコひらき」 ⇔「カッコとじ」
(3)「はじめカッコ」 ⇔「おわりカッコ」

(1)が一般的に思えますが、(2)もたまに聞くことがあります。

3.括弧の見分け方

文章内で、カッコの全角(和文用)と半角(欧文用)が混在していることはよくあります。特に、起こしのカッコと受けのカッコが、全角と半角で違っていることは多いです。


【全角・半角の違い】
全角と半角との見分け方として、文字の左右のアキがあげられます。ただ、カッコ類を組むときは文字間を詰める場合があります。そのため、文字の左右のアキが大きいか小さいかで、全角か半角かの判断ができない場合があります。文字の左右のアキは、見分けるための一つの判断材料になりますが決め手にはなりません。


【フォントの違い】
全角・半角のカッコはフォントの違いによって、ほとんど見分けがつかないものがあります。比較的、ゴシック系よりも、明朝系のフォントの方が見分けがつきやすいものが多いです。


明朝系のフォントで、見分けがつきにくいもの

・左側が半角(欧文用)/ 右側が全角(和文用)




明朝系のフォントで、見分けがつきやすいもの

・左側が半角(欧文用)/ 右側が全角(和文用)




[欧文用の半角カッコの特徴]
--------------------------------------------------
・弧の字を描くカーブが緩やか
・弧の字を描く部分が太い
・漢字やひらがなに対してやや下がっている
--------------------------------------------------

※微妙な違いですが、見るポイントさえ押さえておけば自然と区別はつくようになります。


ゴシック系は、ほとんど見分けがつかないものが多いです。

4.括弧の赤字の入れ方

カッコの赤字の入れ方は、文字を訂正・挿入するときと同じです。

・カッコの訂正
括弧 パーレン


【注意点】
カッコの赤字を入れる場合は、必ず文字で補足するようにします。

  」は、カタカナの「」、
  」は、ひらがなの「」、不等号の「」と見間違える可能性があります。

5.括弧でよくある間違い

赤字が入ったことによって、起こしと受けのカッコが対応しなくなる


【修正指示】




【修正結果】



先頭の起こしのカッコに対応する受けのカッコが、トル指示によってなくなりました。この間違いは非常に多くあります。


短い文だとすぐわかりますが、次のような場合は見逃す可能性が大です。
・一つの文が長い
・カッコを多用している

起こしのカッコが出てきたら、真っ先に受けのカッコがあるかを確認しましょう。

6.括弧で注意するポイント

英数字の後ろのカッコには注意が必要

※日本語入力の場合

・起こしのカッコと受けのカッコが、全角と半角で食い違う
半角の英数字などを入力したあとは、全角入力モードに戻してから、全角のカッコを入力します。
ですが、全角入力モードにするのを忘れて、半角の状態のままカッコを入力するためにそうなってしまいます。

(1)下の文には、全角(和文用)・半角(欧文用)のかっこが混在しています。




(2)特に注意すべきは英数字の後ろです。数字の後ろに2つのパーレンがあることがわかります。



・この例文では、あきらかにカッコの左右幅が違うのでわかりやすいです。よく見ると受けのパーレンの方が弧の字を描くカーブが、やや緩やかなのがわかります。そのため、『昭和30』の後ろのパーレンが、欧文用の半角パーレンであることがわかります。


【補足1】・一行目の受けのパーレン


一見すると半角取りで欧文用のように見えますが、ここは和文用のパーレンが半角取り(二分取り)になっているだけです。このパーレンの後ろに、カッコの( 」)が続いているので、見栄えをよくするために文字間を詰めて調整しています。



【補足2】


この2つのパーレンは、パッと見ただけでは見分けがつきにくいかもしれません。ですが、前述の「半角カッコの特徴」を押さえておけば区別がつくようになります。



【補足3】


フォントを変えることによって、違いが一目瞭然になるときもあります。

※例文で使用している文章は、青空文庫:谷崎潤一郎の『細雪』の一文を使用させていただきました。