校正を独学で勉強

校正・校閲を独学したい人のためのおすすめ本と勉強法

校正を勉強できる場は、大学・短大・専門学校・校正のスクール・通信教育など色々あります。

ですが、独学したいという人にとっては、独学用の参考書が用意されているわけでもなく、何から手をつけていいかわからず迷うと思います。

そこで、校正を独学したいと思っている人向けの学習方法を紹介します。
次のような方に最適です。

(1) 専門の校正者になりたい
(2)(校正者を目指してはいないが)校正スキルを身に付けて仕事に活かしたい

ただし、勉強後にいきなり実務を一人でこなせるというほど校正は簡単なものではありません。


(1)の専門の校正者になりたいという方

学校・通信・独学いずれで学習したとしても、現場での「研修」が重要になってきます。いきなりOJTという職場もありますが、まずは研修で、その職場に則した基礎知識を体系だって学ぶことが重要です。そこから、実務で経験を積み重ねていくことで一人前の校正者になっていきます。研修がないと、その後の成長に大きく影響してきます。

『OJT(On-the-Job Training、オン・ザ・ジョブ・トレーニング)または現任訓練(げんにんくんれん)とは、職場で実務をさせることで行う従業員の職業教育のこと。企業内で行われるトレーニング手法、企業内教育手法の一種である。』【出典: Wikipedia】


(2)の校正スキルを仕事に活かしたいという方

勉強したから即実践で活かせるという考えではなく、あくまで校正の基礎を学んだという認識で、定期的に校正業務の振り返り(リフレクション)が必要です。定期的な振り返りは、知識の定着とスキルアップに着実に繋がっていきます。

おすすめ本5冊(基礎編×2・実践編×3)

1.[基礎編本の知識

本の知識
校正を独学で勉強
・64ページ:500円(税抜)


【本の内容】
『本についての一般的知識と、本づくりに関する基礎知識を簡潔に説明しています。本の各部分の名称や、どのようにつくられているのかといったことを、出版の現場に添いながら1つ1つ明確に示しています。本づくりに関しては、その作業工程ごとに仕事の内容を細かく示していますので、出版の世界の全体像を知るための入門書になります。』
【出典:日本エディタースクールHPより一部抜粋】


【この本の使い方】
この本では、本の名称や本に関する用語を学習します。それ以外は何となく覚えている程度で大丈夫です。知識として知っておいて損することはないですが、各現場によって求められる知識の深さは異なってきます。現場に入ってから改めて読んでみて、必要な知識を補うという形で大丈夫です。

校正のやり方やルールは、会社によって違ってきます。ですが、本の名称だけは、どの会社・どの媒体でもほぼ共通言語になるので知っておく必要があります。

各社で微妙に名称や用語は違ってきますが、まずはこの本を基準としておけば問題ありません。研修を受けるときに名称や用語を知っているか知っていないかで、理解度は違ってきます。

※本の名称や本に関する知識が掲載されている書籍を他に持っているなら、この本は必要ありません。


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【関連記事】≫ 校正・校閲未経験者が、独学のためのおすすめ本【本の知識】

2.[基礎編]校正記号の使い方

校正記号の使い方
校正を独学で勉強
・40ページ:500円(税抜)


【本の内容】
『校正記号を利用する方の利便性が考えられ、標準的な校正記号がコンパクトにまとめられたものです。』

校正を独学で勉強 校正を独学で勉強
【出典:日本エディタースクールHPより一部抜粋】


【この本の使い方】
この本は、学習期間だけでなく校正をしていくならずっと使い続けるものです。ほとんどの校正者が持っているもので、手元に置いておくべき一冊です。

校正記号(縦書き・横書き・欧文)や、その使い方などが簡潔に載っています。符号・役物などの情報も記載されています。校正記号でなにか不明な点があれば、まずはこれを見るといった感じです。

じっくり読む必要はありません。掲載されている校正記号もすべて覚える必要はありません。

最初の使い方としては、パラパラめくって、どこに何が書かれているか程度覚えておけば十分です。わかならないことがあったとき、すぐ調べられるようにしておきます。


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【関連記事】≫ 校正記号を知りたいならこの本【校正記号の使い方】

3.[実践編]実例 校正教室

実例 校正教室
校正を独学で勉強
・124ページ:1400円(税抜)


【本の内容】
校正の赤字の実例を紹介し、それに対して丁寧に解説されています。基礎的な部分から応用まで網羅されています。

校正を独学で勉強  校正を独学で勉強
【出典:日本エディタースクール出版部_実例 校正教室】


【この本の使い方】

この本が、学習のメインとなる教材です。この本を軸として、他の教材で知識を補っていく感じです。

少し古い本ですので、ところどころ馴染みのない言葉が出てきますが、内容的には現在でも十分通用するものなので問題ありません。

縦書きがメインですが、横書きの実例も掲載されています。単に解説だけでなく、注意点や校正するにあたって取り組むべき姿勢なども書かれています。コラムなどもあり、校正に関する為になる知識が書かれています。

校正の基本がほぼこれで理解できるため、校正の基本を学ぶならこの一冊で十分といえます。下手な研修を受けるよりも、これだけ勉強しておいた方がいいぐらいまとめられています。


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ただ、この本の唯一のマイナス点が、練習問題が少ないということです。
そのため、練習問題の不足を次の2冊で補います。

4.[実践編]校正練習帳(タテ組編)

校正練習帳[タテ組編]
校正を独学で勉強
・64ページ:500円(税抜)


【本の内容】
『これから本になる文章でも、インターネットのコンテンツでも、仕事で日々作成する社内文書でも、無駄の少ない作業で、間違いのないものにするために、「校正」の技術が役立ちます。誤りを見つけ、実際に手を動かしてみることで、校正のポイントをしっかりと理解する、書き込み式練習帳。まずは訂正の意図が正しく伝わる校正記号を覚えましょう。』
【出典:日本エディタースクールHPより】

校正練習帳
【出典:日本エディタースクール出版部_校正練習帳(1)】


【この本の使い方】
この本では、校正でよく使われる校正記号が抜粋されており、練習問題を解きながら校正記号も学習していくというものです。基本的な校正記号はこの本でほぼ覚えられます。

・練習問題を通して、校正記号を学ぶことができる
・練習問題で、どういう間違いがあるかを知ることができる
校正を勉強するには、一石二鳥で最適な本です。

校正の勉強で大切なことは「たくさんの間違いに触れる」ことです。たくさんの間違いに触れることで、間違いの傾向が見えてきます。


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【関連記事】≫ 校正・校閲の勉強や研修におすすめの本【校正練習帳】

5.[実践編]校正練習帳(ヨコ組編)

校正練習帳[ヨコ組編]
校正を独学で勉強
・64ページ:価格500円(税抜)


【本の内容】
校正練習帳

【出典:日本エディタースクール出版部_校正練習帳(2)】


【この本の使い方】
基本的な内容な、タテ組編と同じです。

掲載されている校正記号はタテ組編とほぼ同じですが、横組み独自の赤字の入れ方があります。

また、校正記号は同じでも、練習問題は違うものが掲載されているので、練習問題の数をこなすという意味では、タテ組・ヨコ組の両方に取り組んでいた方が、校正の学習には効果的です。


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【関連記事】≫ 校正・校閲の勉強や研修におすすめの本【校正練習帳】


上の5冊をまとめると以下のようになります。

1.本の知識     :本の名称や本に関する用語を学習
2.校正記号の使い方 :3~5を勉強する際に適宜確認する
3.実例教室     :メイン教材。実例を基に解説で学習
4.練習帳[タテ組] :練習問題で学習
5.練習帳[ヨコ組] :練習問題で学習


・校正スキルを身に付けて仕事に活かしたいという方は、これらの本だけで、校正に関する汎用的な知識が習得できるので十分です。

・校正者になりたいという方は、これらの本で研修前の基礎はできているので、これ以上の学習は自分が行きたい現場や校正の媒体に沿った知識を学んだ方が効果的です。勉強して損をすることはありませんが、効率的だとはいえません。

校閲の勉強について

校閲に関しては、学習量に比例してスキルが上がるとはいえません。これは、学校に通って勉強しても独学でも同じです。

校閲は、学習の幅が大きいため自分が身を置く現場に合わせた勉強をした方が効率的です。各会社や媒体によって間違いの傾向は違ってきます。手探りであれこれ手を出すよりも、自分の方向性が決まってから、そこに合った語彙や表現を学んでいく方がよいです。


それでも、語彙力や読解力が不安という方は…。

市販の一般常識問題、SPI問題のようなもので勉強すればよいと思います。試験を想定した問題集だけあって、質の高いものがまとめられています。語彙力や読解力を鍛えるには最適です。

最新のものを購入しなくても、最寄りの図書館で探すことができます。今では便利なサイトがあるので活用してみてください。

カーリル図書館

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※カーリルは、日本最大級の図書館検索サイトです。無料で全国7200以上の図書館から本の検索が簡単にできます。

校正で大切なこと

前述しましたが、校正を勉強するにあたって大切なことは、たくさんの間違いに触れることです。

その経験が、『何かおかしいかも…?』という違和感を抱く訓練になり、間違いを見つける感覚を培うことになります。

最初のうちから、時間をかけて慎重に校正をやりすぎていても、その分だけ間違いに触れる機会が少なくなります。とにかく、最初のうちは量をこなし多くの間違いに触れることです。

知識的なことやテクニック的は、後から自分の努力次第で何とでもなります。